変形性膝関節症



A:最初に飲む漢方薬です(痛み・シビレなどの症状が完全になくなるまでお続けください)

痛みやシビレの期間がまだ短い方の基本処方
症状が長引いてなかなか治らない方へ

B:Aのいずれか漢方薬を飲んで、症状が完全になくなってから「仕上げ」に飲んでいただく漢方薬です。

症状が完全になくなってから「仕上げ」に飲んでいただく漢方薬です。

(1)変形性膝関節症とは

変形性膝関節症とは、膝関節のクッションである軟骨のすり減りや筋力の低下が原因で、膝の関節に炎症が起きたり、関節が変形したりして痛みが生じる病気です。中高年の方に多い病気ですが、とりわけ女性に多く、50歳以降になるにつれて患者さんの数が増えていきます。
初期の症状は、痛むが痛みがすぐに治まったり、痛みがあっても年のせいだとあきらめたりして病院を訪れる人が少ないのが現状です。一度発病したら若いころのような膝に戻すことはできませんが、適切な治療を受ければ症状の進行を遅らせることで、普通に日常生活を送ることができます。痛みを我慢することや、年だからとあきらめたりする前に変形性膝関節症の正しい知識を身に付け、適切な治療を受けるよう心がけてください

(2)変形性膝関節症の症状

同じ変形性膝関節症でも、症状の現れ方や進み方は人によって千差万別です。X線写真では膝関節の変形が相当進んでいるのに症状がほとんどない人、逆にひどく痛むのにX線写真では変形がほとんど見られない人など様々です。
変形性膝関節症の症状がどのくらい進んでいるかを知る手がかりとして、自覚症状があげられます。自覚症状は病気の状態をかなり的確に反映しています。

◎初期の症状(朝、膝に違和感を覚える)
朝起きて歩き始めた時に「膝の違和感」を感じるというのが最初に現れる症状です。この段階では、膝に力がかかる動作をすると痛みがでることがあるという程度ですが、この痛みは長続きせず、しばらく休むと痛みがなくなる場合がほとんどです。
なお、症状の進行は、人によって様々で、朝の違和感だけがずっと続いて、本格的な変形性膝関節症にならない人もいます。
 
 
◎中期の症状(症状が簡単には治らない)
期症状を放置しておくと、徐々に進行して症状が悪化していきますまず、痛みがはっきりと自覚できるようになり、膝が完全に曲がりきらない・伸びきらないという状態になり、正座やしゃがみこむ等の動作が苦痛になってきます。階段の上り下りもつらくなり、特に下りがつらくなります。
また、炎症が起きてくるために、膝の周辺が腫れたり、熱をもったり、むくんだりしてきます。さらに、膝に水がたまって膝が張っているような重くだるく感じるという症状も出てきます。
この段階では、膝の変形がひどくなり、膝に力のかかる動きをするとコリコリ、ガリガリといった軋轢(あつれき)音が出るような感じを受けるようになります。
 
 
◎末期の症状(さらに痛みがひどくなる)
この段階になると、日常生活に支障が起こるほどの痛みになります。そのため、仕事をする、買い物に行く、旅行に出かけるなどの社会活動が思うようにできなくなってしまいます。日常生活の活動範囲が狭まり、外界からの刺激が少ない生活となり、その結果ストレスがたまり、うつ状態に陥りやすくなります。また、高齢者の中には、こうした生活が続くと、痴呆の症状が現れてくる人もいます。
この段階では、骨の変形が相当進んできますので、外見的にも関節の変形が目立つようになります。

(3)変形性膝関節症のポイント(痛みを自覚したら、日常生活の工夫を)

変形性膝関節症の治療は、病院へ通院することだけではありません。医師の指導にしたがって治療を行って痛みが治まってきたら日常生活で、膝への負担をできるだけ軽くする工夫をすることが大切です。
また、適切な運動をすることも大切です。ただし、早く治したいからといって、がんばり過ぎて症状を逆に悪化させてしまったり、無理をして長続きしなかったりしたのでは効果がありません。自分の体力や病気の症状を考慮して、自分のペースで少しずつ毎日の生活に取り入れていきましょう。

◎日常生活の工夫
1.肥満を解消する
2.運動不足を解消する
3.足にあった靴を選ぶ
4.和服を着る機会の多い人は、和服を脱いだら足のストレッチをする
5.毎日お風呂に入り血行をよくする
6.サポーターなどを利用して膝を冷やさないようにする
7.杖を利用する など
◎自宅でできる簡単なトレーニング
自宅でできる簡単な大腿四頭筋を鍛える運動を紹介します。
この運動は、筋肉を鍛えると同時に、関節軟骨の代謝も促進するので柔軟性が増し、膝が完全に曲がりきらない状態や、伸びきらない状態を予防するのにも効果的です。
 
 
大腿四頭筋肉のトレーニング
椅子に深く腰かけ、太ももとすねが水平になるまで、5秒間くらいかけてゆっくりと片足を上げていく。

できるだけ膝をピンとのばす。つま先も立てたほうが良い。


5秒間くらいかけて、ゆっくりと足を下ろす。


慣れてきたら、500g~1kgの重りをつけて同様に行う。

(4)変形性膝関節症の治療法

一度すり減ってしまった関節軟骨は、もとの完全な形に修復されることはありません。したがって、変形性膝関節症の治療は、痛みをとり、膝が完全に曲がりきらない状態や伸びきらない状態を改善して、膝の機能を高めることを目的として行われます。
治療方法は、症状の進行度や痛みの程度によって異なりますが、保存療法・手術療法・漢方療法の3つの療法が基本となります。

1.保存療法
変形性膝関節症で処方される薬はいろいろありますが、病気そのものを治すためのものではなく、あくまでも対症療法として、炎症を抑え、痛みなどの症状を軽くして回復を助けるためのものです。
薬は、医師の指示に従って正しく服用することが大切です。副作用があるからとか、飲んでも効かないからと勝手に判断して飲むのをやめたりすれば治療の効果は期待できません。疑問や心配なことがあれば、担当の医師にご相談ください。
◎温熱療法・冷却療法
関節炎による痛みをやわらげたり、炎症を鎮めるためには、患部を温めたり冷やしたりする療法です。一般的に変形性膝関節症のような慢性の疾患の場合は、患部を温める温熱療法が行われ、膝が熱っぽく腫れているような急性期の痛みには冷却療法が行われます。
 
家庭で行える温熱療法には、お風呂に入って患部を温める方法や温湿布やホットパックを使って暖める方法があります。また、日ごろから患部にサポーターを当て冷やさないようにすることも大切です。ただし、症状によってはこれらの療法で効果がない場合もありますので、最初は自分の判断で行わずに、医師によく相談してから始めるようにしてください。
◎運動療法
運動療法の目的は、運動をすることによって血行を良くし患部を温めて痛みを軽減させるほか、関節の動きをスムーズにする効果があります。ただし、運動療法を始めるときには必ず医師によく相談してから行うようにしてください。
2.手術療法
上記の治療を行っても、症状の改善が認められない場合には最終手段として外科的療法を行います。
手術をすれば痛みがなくなり、動けるようになります。その結果、活動範囲が広がり生活が明るくなり物事を前向きに考えるようになります。
ただし、手術にはメリットもあればデメリットもあります。患者さんの年齢、体力、どこまでの回復を望んでいるのかなど、すべてのことを総合して、適切な手術を選択します。
◎高位頚骨骨切り術
O脚を矯正する手術です。ほぼ完治しますが、長期入院が必要で回復には半年近くかかるため、手術を受けられる人は限られます。
◎人工膝関節置換術
関節が大きく変形し、痛みが取れなくて生活が困難になった場合に行う手術です。関節の状態がよくない人や高齢者でも受けられますが、耐久性が完全でない、可動域が狭くなり正座ができなくなるなどのデメリットもあります。
◎関節鏡視下郭清術
関節の変形があまり進んでいなく、半月板の損傷や骨の変形が痛みの主な原因となっている人に行う手術です。条件を満たした人に行うとかなりの効果を発揮しますが、条件に合う患者さんはあまり多くありません。

当商品は全ての方に効果があることを保証するものではありません。病気には、様々な症状・病状があり、効果には個人差があります。

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