変形性腰椎症
(1)変形性腰椎症とは
腰椎は、背骨のうちで腰の部分を構成する骨で、椎骨(ついこつ)という5つの骨で構成されています。上から第1腰椎、第2腰椎と呼び、いちばん下が第5腰椎です。5つの骨は、前縦靭帯(ぜんじゅうじんたい)・後縦靭帯(こうじゅうじんたい)・筋肉・椎間関節などの働きで繋(つな)がっています。そして、5つの骨の間には、椎間板(ついかんばん)が挟まっていて、クッションのようなはたらきをします。年をとると椎間板が変性して、その弾力性が失われクッション作用が弱くなります。
その結果、椎骨同士がぶつかったり、椎間関節がすり減ったりすると、椎骨は刺激されて骨棘(こつきょく)と呼ばれる骨の突出ができたり、椎骨の並びにずれが生じて変形します。これが変形性腰椎症です。
変形性腰椎症は、中高年の方に起こる腰痛の主な原因となる疾患です。ただし、早ければ20代の方でも発症します。加齢などが原因で、脊柱の障害はどこにでも起こり得ますか、最も症状が出やすいのが腰です。体重の60%以上もの負担がかかる腰部は、椎間板や椎骨が障害を受けやすい部位なのです。
(2)変形性腰椎症の症状
主な症状は腰痛です。腰の骨に変形が起こると姿勢が悪くなります。椎間板が左右非対称に変形・変性したり、椎骨自体が左右非対称に変形することがあります。腰椎は、正常では軽く前方に弯曲(わんきょく)していますが、変形によって後ろに曲がって後弯(こうわん)(いわゆる腰曲がり)になったり、側方に曲がって側弯(そくわん)が起こります。しかし、変形があっても痛みがなければ、とくに問題はありません。
(3)変形性腰椎症の治療法
治療法は、大きく3種類に分類されます。
- 1.保存療法
- 2.手術療法
- 3.漢方療法
- 1.保存療法
- 治療の基本は痛みに対する対症療法で、日常生活に支障を来さないようにします。対症療法は、薬物療法が中心で、非ステロイド性消炎鎮痛薬や筋弛緩(しかん)薬を投与します。塗り薬、貼り薬を使用したり、注射や坐薬が使われることもあります。もし痛みが強ければ、神経ブロック注射を行うケースもあります。痛みが出ている場合には患部の固定が必要です。変形性腰椎症を治療する際にも「装具療法」は行われます。
- 2.手術療法
- 対症療法では、腰椎の変形や変性を治すことはできませんが、老化が原因で起こっている疾患なので、手術が必要になるようなことは、まずないと考えていいでしょう。
当商品は全ての方に効果があることを保証するものではありません。病気には、様々な症状・病状があり、効果には個人差があります。